HOME > 兎穴の分かれ道 > 保管庫 > 早く隠居したい~マヨネーズを目指して~ > 本編 13

やあやあ久しぶり。

今日もこっぴどく母上に小突かれたよ、良い育毛剤を知らないかい?

初めに見つけた晩に対処しておけば良かった。
翌日、遠足当日の園児みたいに早起きした寅によって屋敷はクレヨンまみれになった。
そして皮肉にも、俺が頭を捻りに捻って持たせた撥水性のおかげで俺が怒られることになった。
この時代、油ってどうやって落としてたっけ。
灯りに油使ってるし、掃除の方法はあるんだろうけど。


母上の部屋付近も寅の餌食にあったらしくて、早めにどうにかしないと俺の頭皮が可哀想な事に!


嫌な未来視を実現させたくなかったので、大急ぎでどうにかすることにしたよ。

追加で足す分の為にと余計に取ってきておいた竹を途中までほぐして、ある程度弾力のある状態で短く切り揃えて量を作る。
その後は平たく、かつ薄く整えながらピンと張った2本の紐の間に広げていく。
広げ終わったら紐の端に棒を括り付けて、そのまま落とさないように捻っていく。
限界まで捻ったら、あとは紐の両端を縛り合わせて、ある程度表面を切り揃えれば完成である。

本当のタワシは紐じゃなくて針金らしいけど。
その辺は針金なんて手に入らないから仕方ない。
手荒く扱うとぽろぽろ毛が抜けてくるけど気にしない。
細かい所まで掃除できる物が他に思い付かなかったんだから仕方ない。

取れてしまった分は捻る量を増やして、毛の部分はは再利用するなり火付けにするなりして貰うことにした。

完成したタワシもどきは、掃除してる人に渡しておいた。
ついでに取れない原因が油であることも伝えておいた。
蝋のせいで硬くなってるせいもあるけど。
なんか余計な仕事増やしたみたいでごめんなさい。

ちなみに寅はお説教食らった上にクレヨンは取り上げられてた。
まあ持たせてたらそのうち同じ事するだろうし、仕方ないね。

まあ、掃除を手伝おうにも、俺にはできないんだが。
年齢とか体のサイズの問題じゃなくて。

一応俺って若様だし。
手伝おうとすると逆に恐縮されて逃げられるんだよ。
そんなわけで俺は亀の子に見えなくもないタワシを作った後はノータッチ。

ほのぼのと残りのクレヨンもどきを製作中。
そのうち使いたくなるかもしれないし、どうせ勉強以外することなので張り切って色は豊富にしといた。

紙がないなら作ればいいじゃないって思うけど、うちでそれをするには人手も設備も足りないし。
せっかくクレヨンがあってもお絵かき道具として寅に遊ばせてやれる環境は作れそうにないな。
せいぜい、あとは燃やすだけの薪くらいか、落書きして問題なさそうなのは。

クレヨンは作ろうと思えば作れるけど、量を作ろうとなると無理かな?
溶けた後の蝋だって再利用するんだろうし、材料になるんだったら資源として買い取る人間位いるだろうから、そんなに俺がかっぱらうわけにもいかない。


そういえば、他の家人の手前言い出せなかったけど、土岐にも布団作ってあげようかと思ったらいらないって言われた。
俺に作らせるわけにはいかないからってさー。


まあ作り方自体は簡単だし、作ろうと思えば土岐にも作れるだろうからいいか。


なんかそろそろお祝い事のある時期も過ぎて、祝ってくれって言えるできごとが少ないよ。
決められた勉強を終わらせたらあとは何か作るか寅か土岐と遊ぶ位しかやることないし。
子供をやるって案外と暇なもんだよね。

作りたい物とかあるけど!

けど、だけれども。


俺に勝手に使える金なんてないわー!


と声を大にして叫びたい。
身近にある物で何か作る位しかできないよ、はあ。

庭の隅っこで竹をつつきながら、なんか安く作れる物ないかなーとそんな日。




落ち着いたらまた連絡します。

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