HOME > 兎穴の分かれ道 > 保管庫 > 早く隠居したい~マヨネーズを目指して~ > 本編 16

やあやあ久しぶり。

未だに屋敷の人間の視線が痛いよ、労わってくれ。

俺の何が気になるのか、ちらちらちらちらと鬱陶しい事この上ない。
あれかね?
俺のせいで屋敷中クレヨンまみれになったからとか言わないよな?
あれは寅が書いたんです、俺が書いたんじゃないよー。

しかも何日も前のことなのにまだ根に持ってるのかよ、酷い。



あ、そう言えば良い事もあった。

父上に呼び出されて欲しい物を聞かれたから机と椅子を作って貰うことにした。
正座して勉強が苦手なんだよね、俺。

ちょうど竹座布団が出来上がって、どうせだったら椅子が欲しいなと考えてた所だったから即答してしまった。
けど、どうせなら少し猶予が欲しかったな。
欲しい物を聞かれたってすぐに思い付く事ってあんまりないじゃないか。
どうせ数日したら、あれをねだれば良かった、とか思いついて後悔するんだろうな。

ちなみに、椅子と机は職人に直接注文して使い勝手が良いやつを作って貰うことにした。
最近出かけるついでに薬草を集めてるからそろそろ部屋の中が散らかってきてるんだ。

午前中は今まで通り勉強してるけど、午後は毎日のように出掛けるから結構あるんだよね。
まあ気まずいって言うのが主な原因だけど。

子供の足で入れる範囲だからそんなに珍しい物も高価な物も見つからないけどね。
もっと奥まで行ってみたい気はするけど、土岐と、一人だけ付き合って貰ってる家人が許さないだろう。
ちなみに寅の薬草便も時たま届いてる。
まだ半々くらいの確立で雑草だったりするけど。

俺が武芸を習い始めるにはまだ年単位で時間があるだろうし、教養として課せられてる勉強自体は午前中で終わるのだ。
寅のせいで集めた薬草の知識だけど、案外これは結構良い暇つぶしになる。

周辺の薬草を一通り自分の目で確認したら効能とかの確認をしてみてもいいし、薬師に話を聞いてみるのもいいかもしれない。
自分の解熱くらいなら自分で処置できるようになるかもね。

そういえば、父上に薬草を保管してあることと、薬師に買い取って貰う事はできるのか聞いてみたら苦笑いされた。
下げ渡すだとか、譲り渡す、つまりは寄付なら良いけど金を取るのは駄目だって言われた。
武家の体面って厄介だね。


早くテーブルセットが完成しないかな。
現代の子供のことは知らないけど、この時代の子供が長時間落ち着いていられないのってそのせいだと思うよ。
正座は結構辛いんだ。

落ち着いたらまた連絡します。

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