HOME > 兎穴の分かれ道 > 保管庫 > 早く隠居したい~マヨネーズを目指して~ > 本編 3

やあやあ、久しぶり。

再び祝い事だよ、祝ってくれ。
お食い初めだよ!
やっと固形物が食べられるよ!
苦節100日!(多分。俺は正確な日にち覚えてないけどお食い初めって確か100日位でやるんだよな?)

正直他の行事は俺が主役じゃなかったからスルーしてた。
だってそんなにうれしくないもん。
お宮参りとか、首が座ってなかった頃言ったから空しか見てないし。
目も見えなかったしね。

昔?現代?ではお食い初めって言っても実際に食べさせるから軟らかく煮て磨り潰したりした野菜とかが中心だったと思うんだけど、こちらでは違うらしい。
乳母が言ってたんだけど子供が将来飢える事のないようにだとか、出世するようにだとか、そんな感じの縁起物らしい。
鯛の尾頭付き、赤飯、澄まし汁にお漬物、なんか魚の燻製?かなにかと和え物?と餅と石。
時代劇でしか見たことのなかった御膳で食事をすることになるとはこうなるまで思わなかったな。

・・・・・石?

石。
箸置きか飾りかと思ってたら口に含まされた。
あれか。
石食えってか。
いたな、そういう芸をするやつがサーカスか何かに。
さすがに飲み込まずに済まされたけどなんだったんだろう。
実は嫌われてるとか?

あ、あと他のメニューも箸の先にほんのちょっと、一口にも満たないくらいしか食わせて貰えなかった。
鯛は美味しかったけど汁物とか恐ろしくしょっぱかった。
塩分過多で死ねと?
いやいやいや、子供の舌が鋭敏すぎるんだと思っておこう。
赤飯は数粒しか貰えなかった。
味も何もわかったもんじゃない。

せっかく初のまともな食事だったのに。
早く普通に飯が食いたい。


けど激しく俺の精神力を削りまくった幼児プレイもこうして自分の成長を実感できるとまだ耐えられる。
いつかは俺の体も育って自分で動けるようになるんだ!
こう言っちゃ何だが母乳なんて旨いもんじゃないね。
牛乳より変に甘いしおまけに生ぬるいし。
せめてホットか冷やして出してくれ。
けど俺は賢いから地道に乳を吸う。
生まれたての子牛のごとく、哺乳類の幼児ってのは得てして母親の乳から抗体を貰うものなんだ。
ただでさえ涼しい日本家屋にプラスアルファで赤ん坊の抵抗力じゃしょっちゅう風邪ひいてブルーになるのに。

赤ん坊に薬を飲ませる時どうやるか知ってる?
薬湯をうっすーい粥に混ぜてそれをちゅぱちゅぱ含ませるんだよ。
ただでさえまずいのに一気飲みすらできなくて地道に吸うのはできれば勘弁して欲しい。

ああ、早く成長してくれ俺の体。

落ち着いたらまた連絡します。

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